「四国の育成力。Jユースの昇格実績と、東西の強豪大へ繋ぐ高体連のパイプ」 徳島ヴォルティスや愛媛FCといったJクラブのアカデミーが着実に力をつける中、高体連の伝統校が「大学経由」で驚異的な粘りを見せるのが四国エリアの特徴です。
本記事では、2026年4月現在の現役Jリーガー1,700名のデータを基に、四国地方33名の出身母体を再集計。徳島ヴォルティスユースの盤石な育成体制から、愛媛や香川の強豪校がいかにして関西・関東の大学サッカー界へ選手を送り込んでいるか、その「進路のリアル」を可視化しました。
本調査のリサーチ方法・免責事項
- 算出根拠: 2026年4月時点のJ1・J2・J3現役登録選手(対象1,700名)を抽出。
- カテゴリ分類: 高校卒業時にプロ入りした「高卒プロ」と、大学を経てプロ入りした「大卒プロ」を分類。
- 対象外: 2種登録および特別指定選手は除外。
- 外国籍選手: 中学・高校年代から日本の組織に所属している選手はカウント対象。
- 注意: 選手の移籍や引退、調査のタイミングにより、実際の登録数と若干の差異が生じる場合があります。
四国地方:プロ輩出数 総合TOP5
Jユース・高体連を合わせた総合ランキングです。
| 順位 | 組織名 | 県 | 総計 | 高卒 | 大卒 | 主な進学先(大卒プロ輩出校) |
| 🏆1位 | 徳島ヴォルティスユース | 徳島 | 8 | 4 | 4 | 大阪学院、法政、関西国際 |
| 🥈2位 | 愛媛FC U-18 | 愛媛 | 6 | 3 | 3 | びわこ成蹊、関西 |
| 🥉3位タイ | 松山工業高 | 愛媛 | 4 | 1 | 3 | びわこ成蹊、阪南、東海 |
| 🥉3位タイ | 四国学院大香川西高 | 香川 | 4 | 1 | 3 | 四国学院、神戸学院、大阪学院 |
| 5位 | 徳島市立高 | 徳島 | 2 | 0 | 2 | 関東学院、鹿屋体育 |
【県別】プロ輩出校完全リスト&地域傾向
【徳島県】ヴォルティスユースを軸にした高い輩出力
徳島県はエリア最多の12名を輩出。ヴォルティスユースが高卒・大卒ともにバランス良くプロを出し、徳島市立が関東・九州の強豪大へ選手を繋いでいます。
- 8名:徳島ヴォルティスユース(高卒4/大卒4)
- 2名:徳島市立高(大卒2)
- 1名:徳島商高(大卒1)、城南高(大卒1)
【愛媛県】愛媛FCと松山工業の「びわこ・関西」ルート
愛媛県も12名を輩出。愛媛FC U-18や松山工業は、滋賀のびわこ成蹊スポーツ大や大阪の阪南大・関西大など、近畿圏の大学を経由するケースが目立ちます。
- 6名:愛媛FC U-18(高卒3/大卒3)
- 4名:松山工業高(高卒1/大卒3)
- 1名:FC今治U-18(高卒1)、済美高(大卒1)
【香川県】香川西を筆頭に多様な大学へ分散
香川県は7名を輩出。四国学院大香川西を筆頭に、関東(流通経済大)から関西(大阪学院大)、地元(高松大)まで幅広い大学進路を持っています。
- 4名:四国学院大香川西高(高卒1/大卒3)
- 1名:高松工芸高(大卒1)、藤井学園寒川高(大卒1)、尽誠学園高(大卒1)
【高知県】大卒プロに特化した県外進学モデル
高知県は2名を輩出。明徳義塾、高知高ともに県外の強豪大(IPU、阪南大)を経由してプロを掴んでいます。
- 1名:明徳義塾高(大卒1)、高知高(大卒1)
まとめ:四国地方の進路選択における「新常識」
- 「大卒プロ」が6割強の現実:
33名中20名(約60.6%)が大学経由です。四国においてプロを目指すなら、高校3年間の実績を武器に、いかに大学サッカーの強豪校(特にびわこ成蹊、阪南、大阪学院など)へ食い込めるかが鍵となります。 - 徳島ヴォルティスユースの育成モデル:
高卒で4名、大学経由で4名という数字は、昇格できなかった選手も大学でしっかりと成長し、プロに戻ってきている証拠。育成の「継続性」が非常に高い組織です。 - 関西・中国地方の大学との強い結びつき:
地理的背景もあり、関西や岡山(IPU)の大学とのパイプが非常に太いのが四国の強みです。地元のJクラブだけでなく、西日本の大学サッカー界全体を視野に入れた進路設計が可能です。

